SmokyAudit アメリカで生きる-日々是修行

40代現役内部監査人が最も苦手な会計監査を克服するべくCPAになりました。アメリカ生活の方が日本で生きた時間よりも長くなったけど、心は日本人です。

BECのWritingは何故CPAに必要なのか現役内部監査人が解説してみる

BECは60%の合格率でも、苦手意識が日本人にとっては多いんじゃないでしょうか?理由はBECにはWritingがあるからですよね。

 

今日はWriting Skillは現場の即戦力(特に監査人の)になるためには必要なスキルであることを力説してみようと思います。そして本当に求められている事と「何故」求められているか」を現役内部監査人がお伝えします。

 

これを読んでくれた人のWritingの対策に役立てれば幸いです!

 

求められていない事:内容の正確さ!

ブログの内容からはとっても信じられないと思いますが、私は内部監査Directorです。なので何度か人を雇った経験があります。

 

私が面接の度に面接後抜き打ちでやる事は、Management Memoを書いてもらう事です。トピックはほんと適当。前回は「私の一日」でした(笑)

 

それをテーマに、その日起こったこと、そこから学んだ事やRecommendationをManagement に提出する様書いてください、といきなり白紙を渡します。Diary(日記)を書くようにはその日あった事をつらづらと書かないでください、との注意事項つきで。

 

私が求めている事はこの三つ!*1

  • グラマー
  • テーマに沿って書いているか (注意事項を意識したかどうかも含)
  • 語彙・構成力

内部監査というのは、その都度違うし、毎回条例、ルール、法律を読んだり、リスクアセスメントをしていくものなので、監査の知識があるかっていうのは新人を雇うにあたりあまり重視してないんです。プロセスは雇ったあと教えられますし。

 

でもSupervisorやReviewerはグラマーチェックなどしたくない。

他人が書いた文章ってグラマーが正しいありきで、やっとに内容に目が向けられます。それまではどんなに良いことが書いてあっても、間違いばっかり目に入っては最初の編集はグラマーのみになります。時間の無駄です。なので基本的なグラマーの知識があるかどうかは監査人には超重要事項です。

BECのWritingもコンピューターでグラマーチェックされています。私の職場でもGrammarly.comを使ってまずグラマーチェックする様になりました。

 

テーマに沿っているかどうかで、その人の事がわかる!

まず言われた事をキチンとできる人なのかどうかが分かります。「私の一日」がテーマなのに「ペットの一日」だったり、日記風に書くなと言われているのにダラダラと時系列で自分の一日を描写する人などは✖です。一番基本の言われた事が出来ない人って事になりますもんね。Audit Programに沿ってテストをしなきゃいけないのに、言われた事をできない人は困ります。

 

「私の一日」がその人にとって事実か脚色されているのか、なんて私にとってどうでもいいです。これはBECのWritingでもよく言われますね。On topicでいる事が大事で内容が正確かどうかはあまり重視されないとWileyでも言っていました。

 

二つ目に分かる事はその人のウィットや分析力。

例えば「今日段差があるのを知らず、こけて足をひねるという事項がありました。この予防対策として段差があるときはWarning Signを一メートル毎につける事でLiability を減らす事ができます。」って書いてくれたりしたら、手を打って喜びたくなります。

リサーチした後にそれをサマライズして上司に提出するっていうTBSでのお決まりの設問。あれ、形は違えど私の職場でもPlanning Summaryとして提出してもらいます。分析してまとめる力って重要です。

 

BECのWritingは大体ClientにRecommendationをする形で書きますよね。テストでは言っている事がロジカルで上手く分析されているように聞こえればそれでいいのです。書かれていたことが実際プラクティカルかどうかは二の次です。

 

語彙と構成力で本を読む人か分かる。

CPAという職はとにかく読みつづける職業です。Taxなら事例、IRS Codeを読む事でしょう。内部監査なら監査される側のマニュアル、法律、条令、過去の監査リポート等々。だから読むのが辛い、という人には向いていない職業だと思います

 

だからWritingを読むことで語彙の多さや構成力を通して「読む人」かどうか、という事が大抵分かります。

 

最後に。

監査というものはリポートを書いてナンボです。AUDで習ったSubstantive testやInternal Control Testの結果をNarrative(言葉におこす)にしてマネージメントに分かるように説明しなければいけません。そして自分の考えを伝えるためにConvincing(説得力)でなくてはいけません。だから計算ができる、知識がある、だけではダメなんですね。

 

CPAのスコアリングのリサーチをしていた時分かったんですが、新人CPAに求める事を実際にSenior AuditorやSupervisorからヒアリングすることがExamを作るプロセスに組み込まれているそうです。BECのWritingで求められている事は私と全く同じだなぁと嬉しくなりました。

 

これからCPAを有効活用するためにも、海外での即戦力になれるようWriting頑張ってください。

 

余談ですが、現在この職業で一番大事になったのはData Analyticsを使える事。これも2019Q2からテストに入るそうですね!面白いですよ、Data Analyticsができるようになると。

 

 

 

 

*1:WileyのBEC Writing対策でも言われていたこととほぼ同じです。